東電OL事件

前に、情況証拠による事実認定が問題となった鹿児島老夫婦殺害事件(裁判員裁判で死刑が求刑されていたものの、無罪判決が下された事件)http://d.hatena.ne.jp/f-shi/20110304/1299174895を取り上げた際、最後のところでチクリと東電OL事件でも反対事実が存在する可能性があると書いておいた。今日、ゴビンダ以外の第三者が殺害現場にいた可能性を示すDNA鑑定結果が出たみたいですね。これは、第三者による犯行の可能性を否定できないとして、「疑わしきは被告人の利益」の原則を貫き、無罪判決を下した一審判決に沿う証拠となるものであって、「第三者が被害者と現場の部屋に入ったとは考えがたい」とした確定判決に誤りがあった可能性を示すもの。ひょっとしたら再審開始になるかもですね。ただ、確かに、確定判決を動揺させるものではあるけれど、直ちに被告人は無罪だとなるものではないだけに、再審の扉の重たさを踏まえると、今後どうなるか全く予想できませんね。再審の扉が開くのか、それとも・・・うーん。この事件・・・情況証拠による事実認定の難しさを考えさせられます・・・ちなみに、この事件、佐野眞一『東電OL殺人事件』、『東電OL症候群』が詳しいです。被害者の素性を包み隠さず(評価は分かれるでしょうけど)、事件の本質に迫ろうとしており、また、事件を越えて現代社会が抱える闇みたいなものを考えさせようとしてます。