死刑

昨日、死刑に関するシンポジウムに行ってきました〜 昨年、大阪の裁判員裁判において、死刑の合憲性について争われた。そこでの争点は「死刑」が「残虐な刑罰」に当たるかではなく、絞首刑が「残虐な刑罰」といえるか否かだった。結論としては「残虐な刑罰」には当たらないというものでした。残虐な刑罰か否かは時代により異なるから、絞首刑が現代において、残虐かどうか考えなければならない。かつて絞首刑は、即死あるいは一瞬で意識を喪失させるものであって苦しむことはない、また、身体に損傷を及ぼすものではないと考えられてきた。しかし、研究が進んだ今、意識喪失は最低でも5ないし8秒、首の絞まり方によっては2分あるいはそれ以上かかること、頭部離断の可能性があることが認識されつつある。それにもかかわらず、絞首刑が残虐な刑罰ではないのか・・・残虐な刑罰と理解されている斬首に近い刑罰ではないのか・・・残虐な刑罰というものは社会の進歩に合わせて考えなければならないように思う。後戻りしなければそれでいいということではない。社会が進歩し、薬殺など余計な苦しみを与えずに安楽死させる手法もある。従来の死刑に関する議論は存置v.廃止の制度論で対立してしまい、両者には深すぎる溝があります。ただ、絞首刑が「残虐な刑罰」か否かという、執行方法に関するレベルであれば存置v.廃止の両者においても、同じ土俵で議論することができます。死刑に関する議論を深めなければならないなーと色々考えさせられるシンポジウムでした。